1983年に発売された任天堂のファミリーコンピュータから、2020年発売予定のソニーのプレイステーション5まで、実に多くの家庭用ゲーム機が発売され、現在ではプロゲーマーが注目されるほど、ゲーム業界を大いに盛り上がりを見せています。
そんな盛り上がりを見せるゲーム機の歴史を機種や世代に沿って、今回はファミコンからスーパーファミコンまで(前編)の歴史を見ていきたいと思います。
目次
ゲーム機年表
それでは早速、その時代ごとに注目または主流となったゲーム機の年表からみていきます。
細かく表すと膨大なゲーム機が登場するので、ここでは、有名な機種であること、主流ゲーム機のライバル的な位置づけ、これらの条件を満たした機種のみを紹介していきます。
機種名 | メーカー | |
1983年7月 | ファミリーコンピュータ | 任天堂 |
1985年10月 | セガ・マークⅢ | セガ |
1988年10月 | メガドライブ | セガ |
1987年10月 | PCエンジン | NEC |
1990年01月 | ネオジオ | SNK |
1990年11月 | スーパーファミコン | 任天堂 |
1994年03月 | 3DO | パナソニック |
1994年11月 | セガサターン | セガ |
1994年12月 | プレイステーション | ソニー |
1996年06月 | ニンテンドー64 | 任天堂 |
1998年11月 | ドリームキャスト | セガ |
2000年03月 | プレイステーション2 | ソニー |
2001年09月 | ニンテンドーゲームキューブ | 任天堂 |
2002年02月 | Xbox | マイクロソフト |
2005年12月 | Xbox 360 | マイクロソフト |
2006年11月 | プレイステーション3 | ソニー |
2006年12月 | Wii | 任天堂 |
2012年12月 | Wii U | 任天堂 |
2014年02月 | プレイステーション4 | ソニー |
2014年09月 | Xbox One | マイクロソフト |
2017年03月 | Nintendo Switch | 任天堂 |
これまでに、社会やゲーム業界に大きな影響を与えたと言えるであろう据置型ゲームは、1983年発売のファミコンから2017年発売のNintendo Switchまで、述べ21機種発売されており、マニアックな機種まで入れるとこれよりも多くの機種が発売されています。
2020年の暮れにはソニーからプレイステーション5の発売が予定されており、それに合せるようにXboxの新型も発売される予定です。
全ての始まりは任天堂のファミリーコンピュータ

家庭用ゲームの全ての始まりは、1983年に任天堂から発売されたファミリーコンピュータ(以下FC)であることは、間違いないと言えます。
ファミコン以前にも据置型ゲームは存在した
FCが発売される以前までのゲームに対しての一般認知は、喫茶店などで大流行したインベーダーゲーム、パソコンを使ったコンピュータゲームなど、アーケードやPCゲームが主流であり、ゲームそのものの存在自体が一般的には敷居の高いイメージがあり、自宅で好きなゲームができるとは想像もつかなかった時代でもありました。
FCが発売される以前も、第一世代の据置型として知られる世界初の据置型ゲーム機「オデッセイ」や、そのオデッセイを真似て作られたとされる「ポン」などがありましたが、オデッセイは外国産であったこと、ポンはテニスゲーム専用であったことから、一般的には普及しませんでした。
その後も、外国メーカーだけではなく、日本のおもちゃメーカーも据置型ゲーム機が発売されましたが、任天堂がFCを発売するまでは、据置型ゲームが一般認知されることはありませんでした。
現に、TVゲームの始まりとされるFCはゲーム機の世代的には第三世代に当たるため、世界で初めて据置型ゲーム機が発売されてから、一般普及するまでかなりの年月がかかったと言えます。
FCを初めとするFC世代は優れたゲーム性能を実現
FCを初めとするゲーム機第三世代は、これまでの第一から第二と比べ、全体的に成功を収めたと言えます。
しかし、やはり圧倒的に成功を収めたのは、1983年に任天堂から発売されたFCであることは間違いなく、FC以外に成功を収めた機種は対抗馬的存在であったセガの「セガ・マークⅢ」や、その後継機である「セガ・マスターシステム」と言えます。
FCはもちろんとして、セガのゲーム機も一定の成功の収めた理由としては、ゲーム機そのもののスペックの向上によって、より幅広くゲームを楽しめるようになったことであることは間違いなく、特にFCの場合は、当時アーケードで爆発的に人気のあった「ドンキーコング」を家庭用ゲーム機も高いクオリティで遊べることが大きな要因になったと言えます。
また、この世代のゲーム機からは、「友人同士で楽しめる」「家族みんなで楽しめる」と言ったソフトも多く開発できるようになったため、このことも一般家庭に普及した大きな要因と言えるでしょう。
現在の構図を作るに至ったPCエンジン

現在のゲーム機の構図としては、ファミリー・子供向けには「任天堂系」、中高生から大人までは「PS系」や「Xbox」、ゲーマー向けは「PCゲーム」など、分かりやすく差別化が見てとれますが、これは何も今に始まったことではありません。
CD-ROM発祥
ゲームソフトメーカーであるハドソンと、現在のNECである日本電気ホームエレクトロニクスによって共同開発された「PCエンジン」の登場が、FCで絶大な支持を得ていた任天堂一強体制に一石を投じることになります。
PCエンジンは、当時ゲーム会社であったハドソン内で「高性能のハードウェアを望む声」が多かったこと、NECが任天堂に対抗するために「CD-ROMを使ったゲーム機」を開発したかったこと、この2点が互いの思惑と合致しため開発されたゲーム機です。
現在では、ほとんどのゲーム機にディスクドライブが採用されていますが、始まりはPCエンジンであることは確かなことです。
PCエンジンは世代的に第四世代に分類される機種ですが、発売されたのが1987年と第一から第二の間になるため、FCや後に発売されるスーパーファミコンとも競合しました。
発売された1987年当時、家庭用ゲームの主流はFCであったことは確かですが、PCエンジンの性能はグラフィック、処理スピード、動作、そのどれをとってもFCを凌駕するほどのスペックを発揮し、見事にFC一強体制のゲームシェアに風穴を開け、1992年にはスーパーファミコンに次ぐ2番目のシェアと長い間活躍しました。
PCエンジンはなにも最初から「CD-ROMを使ったゲーム機」であったのではなく、発売当社は、画像処理能力に定評があったチップ内蔵のカード型のソフトが使われており、このままでも既にFCより高い性能を発揮していましたが、PCエンジン本体発売の1年後には、CD-ROMドライブを搭載した後付ハード機である「PCエンジンCD-ROM2」、またsの後には、PCエンジンとCD-ROM2が統合された「PCエンジンスーパーDuo」が発売されています。
このことからも、PCエンジンの開発は、最終的に「CD-ROM」に照準を合わせていたと言えるでしょう。
本体価格の高騰化
最終的に「CD-ROMを使ったゲーム機」を開発し、見事に成功を収めたかに見えたPCエンジンでしたが、CD-ROMを搭載した本体自体がそのスペックゆえに高騰化してしまいます。
PCエンジンの初期版、つまりCD-ROMが搭載されていないバージョンは、定価が24800円、後に発売された後付ハード機であるCD-ROM2とのセット販売では57300円、さらの後に発売されたPCエンジンスーパーDuoは59800円と、とにかく高額な商品であったことは確かです。
高額商品であること、大人向けのソフトが多かったことなどから、PCエンジンはFCとの差別化を上手く作ったと言え、任天堂にはシェアは及びませんでしたが、一定のユーザーからは長い支持を得ることに成功しました。
スーパーファミコンの登場でよりゲームにボリュームが

誰もが知る任天堂のスーパーファミコン(以下SFC)は、世代的には第四世代に分類されます。
名実共にその世代では絶大なシェアを誇りましたが、競合としては上記で紹介したPCエンジンや、セガの名機「メガドライブ」など、高スペックの機種が多く登場した時代でもあり、グラフィックやサウンドなどを始め、この時代からゲームはより進化していきます。
SFCの発売は1990年と、他の競合2機種に比べ発売された時期が一番遅く発売も大幅に遅れましたが、前機種であったFCがPCエンジンやメガドライブと互角以上に渡り合っていたため、見事にFCシェアの引き継ぎに成功します。
FC時代に比べソフトが大幅に拡張されたため、より幅広いソフトが開発できるようになり、やり込み要素が高く長く遊べるゲームや、よりリアルを感じることができるスピーディなゲームなど、多くのゲームが開発されました。
グラフィックはFC時代から引き続きドッド画がべースになっていましたが、ドッドをより繊細にすることによってアニメーショングラフィックも進化し、それによってより高度なアーケード移植もできるようになりました。
当時アーケードで爆発的な人気を誇った【スーパーストリートファイターⅡ】の移植が代表的な事例と言えるでしょう。
ゲーム機歴史 まとめ
ここまで、FCからSFCまでのゲーム機の歴史を簡単ではありましたが紹介してきました。
結構な長い時間を使った感じですが、これでもゲーム機の歴史全体の1/4ほどなので驚きです。
FCによって家庭用ゲーム機の歴史が始まったようなものですが、縮図自体は現在の市場に似たような部分が多くあります。
第四世代で見てみると、スーパーファミコンが現在のSwitch、PCエンジンが現在のPS、メガドライブが現在のXboxのような感じなので、そう見ると歩んできたゲーム機の歴史も中々面白いです。
現在のPSとXboxの関係性も、第四世代以降のソニーとセガの関係性によく似ていますが、詳しいことは次回の記事で解説しきたいと思います。